0-16.沖本さん

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突然の自宅リクエストに狼狽するセンマ少年。

からかい上手の沖本さん

勝手に翻弄されにいく不器用少年の初恋最終章。

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「ねえ今日遊べる?センマんち行きたい!」

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零章 センマの青春篇 0-15.さ行とか行の間

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新たな春。それは少しだけ長い春。

『アオハルかよ』と表現して久しいその春は、

これまでに実感したことのない、

悩ましくも微笑ましい、青春そのものになる。

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何気ない仕草は 僕にあの子を気づかせた。

気がつくといつも その子を想ってた。

目線が、心が いつも彼女を追っていた。

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0-9.抑留

新幹線の窓の外は嵐だった。

 

不気味に高く見える空の暗雲は

赤黒く稲光を放っていた。

上田から軽井沢、高崎にかけて

稲妻が横に閃光するのを

この時に初めて見たのだ。

 

 

 

まったく皮肉なものである。

窓に顔をつけて無邪気に喜ぶ

子どもを横目に、

この先を暗示するかのような

嵐模様は、

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0-7.凍てつく解放

第二次世界大戦の終戦後、

武装解除され投降した日本軍捕虜らが、

ソビエト連邦によって主にシベリアなどへ

労働力として移送隔離され、

長期にわたる抑留生活と奴隷的強制労働を

強いられた。

人的被害は甚だしく、日本人兵士57万人中、

約6万人が亡くなったという。

 

 

 

一方で、

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