こんな話を聞いたことがないだろうか。
人にはどうやら人生で３回だけ、
モテ期がやってくるらしい。
それは人によってまちまちな
タイミングであり、
学生時代に全部使い切る人もいれば、
社会に出てからパラダイスになる人もいる。
（僕は完全に前者。もう懐かしい。）
誰が統計を取ったでもないが、
こう言ったジンクスを、少なからず
聞いたことはあるだろう。
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陸上部部長の任命を受けてからというものの、
我が部活動の決定的改善点は
圧倒的人員不足だった。レギュラーメンバーで
たった５人。
この雰囲気が寂し過ぎた、
少数精鋭という価値観は
センマにはなかった。
そう、なにより仲間が欲しかった。
来たる２年の春。部長就任最初の仕事は
入部勧誘。それは、
１年の教室にて部活動のプレゼンをする
機会を与えられるのだ。
「うち、楽しく走りまーす。
先ず絶対楽しいことがモットーでーす。
実力は楽しみながら
後からつけましょう、
みんなで体育祭の花形をかっさらおう！」
なかなかに適当過ぎる番宣だったのだ。
このキャラ売りともとれるやり方
ではあったが、
何故か功を奏した。部員は一気に
倍以上にまで膨らんだのだ。
『怒らない、詰めない、厳しくしない』
２年生から部長をやっている
センマという特殊キャラは
部活を通じて流布され、
とりわけ後輩には運良く大ヒットとなった。
ここまで引っ張っておいて何が言いたいのか。
なるほど彼の人生最初モテ期、
それは中学でしっかりと来ていたのだ。
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一人だけに、たった一つだけ。
想い同じであれと願った。
それは気がついたらいつの間の
僕のキモチだった。
「明日の朝、待ってる。」
同じ気持ちでいてくれたらいいな。
そう思える人が、またできて幸せだ。
いつもと何の変りない道のりは
歩を進める毎に少しずつ緊張を重ねていく。
「いなかったらどうしよう。」
否、それも答えである。
それも覚悟で此処まで来たんじゃないか。
そう心で振り絞り、決意の朝に
腹を括った。
ないかな、もうない。
最後の最後までそう思った。
そこはまだ誰も来る気配のない朝の教室。
黒板と立ち並ぶ机を斜めから
まばゆく差し込む朝の陽ざし、
窓際の席。
彼女はいた。
「・・・おはよ。」
「おはよう。＾＾」
「・・・呼び出して悪いんだけど、
ちょっといい、かな。」
「いいよ＾＾」
教室から少し離れた廊下の先、
「何って言っていいか、すごい分かんないんだけど・・・、」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・・・・。」
日々、気づかぬ間に想いを募らせた、
それを伝えるのに充分な舞台も揃った。
いや、それ故か。
「・・・、その。
おい、・・・がんばれ、おれ。」
「どうしたの＾＾；」
完全に思考停止したのだ。
もう少し、後ほんの少しなのに。
頭では、心では分かっているのに、
行動が、喉まで来てるその言葉が
あと僅かな勇気をくれないのだ。
「あのね、＾＾」
「うん。」
「・・・私と付き合ってくれる？」
「！！！！！！」
全身の血が一気に心臓へ集う。
その貫く感覚は、キンと冷えた
校舎の朝霞を、指や鼻先やらを
静かに打つ冷気を、
顔を赤らめ熱帯び、忘れさせる。
嬉しそうな、少し切なげな、
されど彼女のまっすぐな視線が
刹那でも直向きな勇気をくれる。
「・・・うん。」
「ありがと、嬉しい。＾＾」
「これからは！・・・。いつか、
・・・ちゃんと言う。」
「うん、待ってるね＾＾」
こうして最も大事なところを彼女に言わせしめ
他力本願で成就させるという、
またしても男気株価だだ滑りの・・・
季節はバレンタイン。
春の陽気が待ち遠しい今日この頃に
春寒ややゆるむ恋のお話しでした＾＾
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ちゃんちゃん。♪（Fin…）
余談：
水原さん（仮名）も現在素敵な方と
結婚されまして、
差し出がましいですが、誠におめでとう
ございます！
最近は流行り病もありますので難しいですが、
たまに飲みに行ったりしては、
思い出話になってます。(笑)