0-6.嵐のあとに

0-4.スケープゴート】より、

 

幾度と不当な糾弾を受けた母。

ただ、一見して理不尽とも思える鉄の掟が

作られたのは、恐らくこの王家の繁栄及び、

目上を労った養老を目的とするものである。

故に、

 

 

 

決して母のような、この家にとっての

反逆因子を撲滅するために予め作られた法

とは考えにくいものだった。

 

 

 

そう、時としてこの格式に守られることも

恐らくあったのであろう。

 

 

 

一家の大黒柱ともとれる父を失うリスクは

この小さな王朝には極めて大きすぎたため

結局は追放の裁きを受けないという

結末を辿ることになった。

 

 

 

それを分かってか否かはともかく、

こうして耐え忍んできた母にも

遂に転機が訪れる。

 

 

 

 

 

 

父が昇進。

支店長任命がようやく実現となった。

そのため、ある一つの支店を丸ごと

任されることのなったのだ。

 

 

 

勤務地、長野。

よって人事異動。

 

 

 

それは私が小学生になって

間もなく、11月になって

初めて転校を経験する

きっかけになった。

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